バフェット流財務諸表の読み解き方(損益計算書編)

 「会計はビジネスの言語だ。会計を学ぶ努力をしない限り、そして財務諸表を読んで理解しない限り、自分で株の銘柄を選択することなど夢のまた夢である」

ウォーレン・バフェット

  

 上の文は言わずと知れた世界最強の投資家の一人である、ウォーレン・バフェットの言葉です。今回はウォーレン・バフェットが「永続的競争優位性を持つ優良企業」を見分け、評価する際にどのようにして財務諸表を活用しているのか、その読み解き方と要点についてまとめていきたいと思います。今回は損益計算書についてまとめます。

 損益計算書でバフェットが考える注目すべき点について話を移す前に、私たちをリッチにしてくれる企業、つまり永続的競争優位性を持つ企業を見つけたいときに前もってどこから探し始めるべきかを知っていれば捜索活動が楽になります。バフェットはそのような永続的競争優位性を持つ企業を3つのモデルに分類していました。

他にはないユニークな製品を売っている会社

他にはないユニークなサービスを売っている会社

③一般大衆からの安定した需要がある製品、もしくはサービスを低コストで仕入れて低コストで売っている会社

永続的競争優位性を持つ企業を探し出す際、以上の3点をクリアしている企業か見極める必要があります。

それではここから実際にバフェット流の損益計算書の留意点をまとめていきます。

バフェット流財務諸表の読み解き方(損益計算書編)

高い粗利益率を示しているか

一貫して高い粗利益率(40%以上)を保持しているか

(20%以下は大抵、競争が激烈で持続可能な競争優位性を構築できていない)

※企業が高い粗利益を出せるのは、永続的競争優位性によって、売上原価を遥かに上回る価格設定の自由は与えられるから

※ビジネスの長期的経済性が破壊される3要因

①研究費の増大

②販売及び管理コストの増大

③債務に対する利払コストの増大

販売及び一般管理費(SGA費)は一貫して低いか

※SGA費の内訳(経営陣報酬、従業員給与、宣伝費、出張費、弁護士費用、手数料など)

・SGA費の比率が一貫しているか(永続的競争優位性を持たない企業は比率が激しく上下する

・SGA費は低ければ低いほど良い

※目安として粗利益に対し30%以下なら優良、30~80%でも永続的優位性を持つ企業は多い(比率が一貫しているかが大事)、たびたび100%近く、もしくは超えている企業は激しい競争に巻き込まれている可能性が高い

多額の研究開発費を必要としていないか

※企業にとって永続的競争優位性のように見えるものが実は、特許や先進技術を源とする一時的優位性であることが多く、競争優位性保持のために研究開発、販売管理コストが増大する

→企業の長期的経済性が危険にさらされていることを意味する

粗利益に対する減価償却費の割合が低いか

※永続的競争優位性を持つ企業は上記傾向にある

例)コカ・コーラ(KO)6%、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)8% ゼネラルモーターズ(GM)22-57%を行ったり来たりしている(競争優位性がない企業の例)

支払利息をほとんど、もしくは全く計上していない

※比率は業界にとって異なる、業界で最も低い比率の企業は競争優位性を持っている可能性が高い

※比率が高くなってしまう企業は

①業界の競争が熾烈で競争力保持のために巨額の設備投資が必要

②ビジネスとしての経済性は優れているがLBOによって買収された結果、多額の債務を背負わされた場合(買収の資金は買収される側の資産や将来的なキャッシュフローを担保にして調達されるため、買収にて発生した負債は買収された側の資産やキャッシュフローで返済されていく)

法人税額は一致しているか(税引き前利益に法人税35%をかける)

売上高に占める純利益が右肩上がりでその割合が長期的に20%以上で推移しているか(10~20%の間の企業にも金の卵がある可能性)

EPSが10年のスパンで一貫性と上昇を示しているか