バフェット流財務諸表の読み解き方(貸借対照表、キャッシュフロー計算書編)

 ウォーレン・バフェットが「永続的競争優位性を持つ優良企業」を見分け、評価する際にどのようにして財務諸表を活用しているのか、その読み解き方と要点についてまとめていきたいと思います。今回は貸借対照表、キャッシュフロー計算書についてまとめます。

✳︎バフェット流財務諸表の読み解き方(貸借対照表編)

□大量の現金を保有し、借入金はゼロもしくは少量、株式発行や資産売却をしていない、長期的に収益の一貫性が確認できる企業か

→これらが見られる企業はトラブルの荒波を乗り越える可能性が高く永続的競争優位性を持つ優良企業の可能性が高い

□棚卸資産と純利益がともに増加しているか

※そのような企業は製品販売を伸ばして収益を増加させているので注文を期日通りに捌くために在庫を増加させる必要に迫られるため、上記のようになる

□総売上高に占める売掛金の割合が一貫して他社より低いか

※ある種の競争優位性があるため、取引条件を妥協する必要がなく、他社より有利にビジネスをしていける

□変更のない製品を一貫して生産し続けているか

生産設備の数字が増えないため(コストがかからない)、結果、一貫して収益を上げ続けることに等しい(競争力を保持するためだけに生産設備の更新に莫大な資金を注ぎ込む必要がなくなり、剰余金を収益性の高い事業に振り向けられる)

□のれん代の増加に注目

※長期にわたってのれん代が増加している場合、その企業が他企業の買収に血道をあげている、と考えられる(永続的競争優位性を持つ企業を買っているなら好ましい状況)

※のれん代の数字が何年間も同じままなら、ほとんどの場合、企業買収自体を全く行っていない、と考えられる

□あまりにも高い総資産利益率は競争優位性の脆弱さを表している場合がある

・総資産利益率=純利益÷資産合計(総資産)

※どんな業界でも必要な資本の調達は新規参入の障壁となる

例)コカコーラに対抗すべく、430億ドルを集めるのは困難だがムーディーズに対抗すべく17億ドルを集めるのは可能な範疇になってくる

(総資産利益率コカコーラ12%、ムーディーズ43%)

→つまり、根源的経済性はムーディーズの方があるが競争優位性ははるかに脆弱である

なぜなら、業界への参入コストが著しく低いから

□金融機関の株を購入する場合、長期借入金より短期借入金が多い会社は除外する

□長期借入金が少額、もしくは全くない

※10年間ほとんど、もしくは全く上記が生じていなければ強力な競争優位性を持っている可能性が高い

※バフェットが投資してきた優良企業は全て、長期借入金を3~4年で返済できる純利益を出している

□金融機関を除き、自己株式調整済み負債比率が0.80以下(低いほど良い)

・負債比率=負債合計÷純資産合計

※永続的競争優位性を持つ企業の中には内部留保を必要としない場合があり自社株買いに注ぎ込み結果、負債比率が上昇するケースもある(凡庸な企業との見分けがつきにくくなる)

□優先株を発行していない

□内部留保を着実に積み増せている

※永続的競争優位性の有無を見極める際、内部留保は指標として非常に重要

→内部留保を積み増せない企業は純資産を成長させることもできないため

※永続的競争優位性を持つ企業の中には内部留保を必要としない場合がある

□自社株買いを進めているか=フリーキャッシュ(内部留保)が多い

→ROE(株主資本利益率)が向上する

・ROE=純利益÷純資産

✳︎バフェット流財務諸表の読み解き方(キャッシュフロー計算書編)

□資本的支出が低い

※年間の資本的支出が一貫して純利益の50%以下(25%以下ならさらに良い)を維持してきた企業は永続的競争優位性を持っている可能性が高い

□営業キャッシュフローが毎年着実に増えている

※純利益より大きいこと(小さければ粉飾の可能性がある)