オキシトシン

動物との交流で心が安らぐ理由

 私には愛すべき子供であり、良き友人がいます。朝は私よりも早く起き、朝食を待っています。昼間は窓から外を眺めたり、家中を縦横無尽に駆け回ったり、座椅子で眠っていたり、と自由気ままです。夕食は決まって同じ時間になるとご飯はまだ?とアピールします。夜は各々で寝たり、一緒に寝ることもあります。そう、私の愛しい息子、良き友人は猫です(笑)。この文章を書いている今は私の隣で寝ています。愛おしいです。動物との交流は私たちの日々の生活に癒しをもたらしてくれます。心がふわっと、そして幸せの膜に包まれたように、軽く浮遊したような気持ちになります。私たちもそうですが、撫でられている猫の表情も極楽、悦、といった表情です。このように交流やスキンシップをしたお互いが心安らぐことには理由があります。それは脳内でオキシトシンという物質が分泌されているからです。

オキシトシンとは、いわゆる、「幸せホルモン」と言われるものの一種です。
人間の脳内では、心身の健康を保つために100種類以上の脳内ホルモンが分泌している、と言われています。その中には人間の感情や意欲に寄与するものもあります。

オキシトシンが分泌する行動には、動物との交流のほかに(植物を育てることも良い)、スキンシップ(パートナーや家族との交流、ハグ、キス、性交)、友情・仲間の存在(会話、コミュニティ)、親切・感謝(他者貢献、ボランティア)があります。

オキシトシンを分泌するために必要な行動である、スキンシップ、友情・仲間、親切。これらの共通点は他の対象との交流、そしてそれはきわめてポジティブなものということです。つまり、孤独という状態はオキシトシンが分泌しない、不幸せな状態と言い換えることもできると思います。実際に、社会的なつながりをもたないことで死亡リスクが50%向上する(逆に言えばつながりをもてば低下する)、また、孤独は喫煙習慣と同等の健康を阻害因子である、という研究もあります。つまり、社会的なつながりを断つことは、自らの心身の健康を損なうことにもつながるということです。

オキシトシンを分泌する方法

 

 頭では理解できても、実際に行動に移すのはハードルが高いな、と思う方もいらしゃると思います。私もどちらかというと内向的で自己肯定感も低めです。友達も少ないです。そういうときは、いきなり、大きな目標に挑むのではなく、目標を細切れにして一つ一つのハードルを低くすることが良いと思います。例えば、いきなり人との交流は、、、という方は目の前の事象に感謝をする、車を運転しているのなら前に進路変更で入りたい車がいれば入れてあげる、また小さな植物を育ててみる、などできそうだな、と自分が思う範囲で始めてみるといいと思います。英語にbaby stepsという言葉があります。これは日本語に訳すと、「少しずつ慣れれば(上達していくよ)いい」、「すぐにできるようにならなければいけない、というプレッシャーはないよ」という意味です、この言葉は私の好きな言葉でもあります。少しずつ、一歩ずつ自分のペースでやっていけばいいのです。

 また、動物との交流、つまり育てる、ということは自己肯定感を高めることにもつながります。私が以前働いていた病院では、アニマルセラピーを毎日実施していました。また、朝は医師の指示、許可があった患者さんを対象にスタッフがついて、犬と朝散歩をする、というセラピーもおこなっていました。動物に触れている患者さんの表情は普段は見せることのない安らいだ、幸福に満ちた表情が印象的でした。また犬との朝散歩を毎日している患者さんは初めは、時間に起きれず行けないこともしばしばでしたが、徐々に時間通りに起きられるようになり、最終的には30分前から起きて準備をできるようにまでなっていました。表情も責任感に満ちた表情で精悍になっていきました。また新たに犬との朝散歩にいく患者さんに率先して犬との散歩のコツを教えるなど、まさにオキシトシンが分泌される、お手本のような良きスパイラルが形成されていました。

投稿者

ranmaruuno27@icloud.com

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